花柄のパンツがお気に入りである。サスペンダーは、やわらかいリネンの、ざっくりと組んだもの。花をみにまとう、という事は、民俗学的にもとても意味のあることだ。それは、わたしたちヒトが、過去の歴史のどこかで花の種族と交わっていた歴史の名残であり、そして、これから未来のどこかのタイミングで、また、花の種族と交わる事への予祝でもある。
花にくらべると、わたしたちヒトはなんてちっぽけな存在なのだろうか、と思うことがある。自分一人では生きていけず、誰かのためになりたいとこんなに切望しても、それが適わないと感じてしまうことさえ、ままある。わたしたちヒトは、花の手助けなしには、もはやヒト同士においてさえ、良好な関係を紡ぐことはできないだろう。
そんなこんなで、花柄のパンツがお気に入りである。わたしと花柄のパンツを緩くつなぐこのサスペンダーのリネンの繊維を感じると、はるか遠くの日々で、わたしたちヒトが花と間近だった時代のことを感じるからだ。