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2022 solololawn

2022-solo047

町のすみずみに根付いている生活と、うさぎとは、本当にとけこんでいるようで、そしてこころなしか、人間はうさぎ、うさぎは人間の顔に似ているようにみえます。
 安曇野の北西部、美麻には、ほんとうに美しい麻畑の風景と、古くからつたわる「うさぎおい」のための家が点在していました。半農半染をなりわいとしていたそれらの家々は、近代化の波が徐々に寄せてきた折に様相が変わってしまったものの、その関係性はうっすらと、ですが確実に力強く、衣服や布の模様としてのこっています。
 「うさぎおい」の週末にはいまでも、その家にのこる固有の衣装を身につけています。ざっくりした山もようの靴下、足をぐるぐるまきにする兎毛の織物のすそはしにはレースがあしらわれ、ザディエのような綿のエプロンブラウスにはイチジクの葉が描かれています。
 カナムグラ色の髪の毛がうつくしい女のこは、シママンゲツの亜種を一匹飼っていて、その関係性から紡ぎ出される思考法や愛おしみは、町全体のゆたかな生活と相互になりたって育まれています。 いまは形骸化しつつある「うさぎおい」ですが、その主人公はやはりいまでも、こどもとうさぎなのです。