くろくまは驚いた
くろくまが考えていた
「ポシェットとしての生活」が
くろくまが考えていた予想とはるかにちがっていたので
くろくまは驚いた。
まず、ポシェットというものをはじめて知った
なんとなく、シュッとしたじゃがいもとポテトの
間のようなものを想像していたが
ぜんぜんちがった。
ヒトにぶらさがって、
あるくたびにぽんぽんとはねるクロクマは、
そのリズムにあわせてそんなことを考える。
なんだ、ポシェットも悪くないじゃないか。
そういう考えに、
くろくまの考えはかたむきはじめていた。