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2021 poche-nigi

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くもをみていると
ぼくをおもいだすだろう

かたまったくもの稜線が
じょじょにじんわりちぎれてとけて
ぼくと、ぼくのうしろのぼくが
いつのまにかちがうぼくになる

くもをながめていると
ぼくをおもいだすかもしれない

ぼくのようなかたちだったぼくは
いつのまにかゾウやかたつむりや
ハルキゲニアやアノマロカリスのようになる

くもにうかぶぼくの稜線は
パンゲア大陸の何兆倍もはやくせかいにちっていって
リアス式海岸は月の浜辺に
マゼラン海峡はピレネー山脈になる

そこのすべてにぼくがいて、
ポシェニギーとしてのぼくは、
いつも、それをみてぼーっとしている