くもをみていると
ぼくをおもいだすだろう
かたまったくもの稜線が
じょじょにじんわりちぎれてとけて
ぼくと、ぼくのうしろのぼくが
いつのまにかちがうぼくになる
くもをながめていると
ぼくをおもいだすかもしれない
ぼくのようなかたちだったぼくは
いつのまにかゾウやかたつむりや
ハルキゲニアやアノマロカリスのようになる
くもにうかぶぼくの稜線は
パンゲア大陸の何兆倍もはやくせかいにちっていって
リアス式海岸は月の浜辺に
マゼラン海峡はピレネー山脈になる
そこのすべてにぼくがいて、
ポシェニギーとしてのぼくは、
いつも、それをみてぼーっとしている