「ふう…」
うさぎのためいきが
風にのってそうげんをかけながら
ふきあがるこまかい花々とともに
とけていくのがみえる
ふさふさとたたえたそのひげが
なんだかキマらないきがして
うさぎはうつうつとした
あしがもつれてうまくはしれない夢のような
まとまりをもった大気のかべにはばまれるような
そんなうつうつとしたきもちに
のしかかられているようだった
「ああ…」
「おいらのヒゲさんよお…」
また、
ためいきが花とともに大気にとけて
この地球をかこんでいるおおきなちからに
ちいさなてんをうがつ
そこからふきこむいちじんの突風が
うさぎのヒゲのぐあいをちょうどよく
良いかんじにしたことにまだうさぎは
きづくことができないでいた。