「わたしはねえ
ダーウィンにだって
会ったことがあるんだよお」
むちむちとした
あかちゃんのくびにぶらさがりながら
スタニギーのトリはいつも
そう言っている
そのトリは
じぶんはあのゆうめいな
ダーウィンフィンチである
といって、はばからない
「ダーウィンだって
あのころは
こーんな若い青年でねえ」
そんなトリもいまは
むちむちしたクリームパンのような
あかちゃんの手にニギられて
種のきげんも、なんだかいまは
どうでもよいような
そんな気分になっているのだった。