春が来るとあたたかくなってワクワクする、が、べつにエアコンだって暖房だって、あたたかいからおなじようにワクワクするはずだ。となると、エアコンや暖房のあたたかさと、春のあたたかさとは別の物なのかもしれない、と考えられる。お風呂に入るときのうれしさと、温泉に入るときのうれしさとが、若干ちがう感じがするのに近いかもしれない。ナベで作ったカレーにカレールウを溶かし入れたときにはじめてたちのぼってくるカレーの匂いと、コンビニでカレーを買ってレジであたためてもらって、チーンとなったあとに袋に入れて貰うときにはじめてたちのぼってくるカレーの匂いとでは、なんだかテンションが異なることにも、似ているかもしれない。
春はあたたかくなると、花が咲き蝶が舞う。そうしたセットのうれしさが、エアコンや暖房のあたたかさと違うのだろうか。それならば、エアコンや暖房をつけるたびに、部屋の中の花が咲き始めて蝶が飛んできたらどうだろうか。もしそんな演出が可能になったら、それはそれはなんだか面倒な感じがする。毎朝毎晩、せっせと咲きほこったり、飛び回ることとなる花や蝶のことを考えても、それは申し訳ない。
つまり、春は、春だからワクワクするのだろう。暖かさや花や蝶といった個別の要素をこえて、春であることがわたしたちの感情にう訴えかけてくる。そんなフラワーテキスタイルのポーチです。