このうさぎは、
月でほかくされたいくつかのうさぎのうちの
一匹であるという。
月でのうさぎのほかくは、
旧暦の10月あたりのいちだい行事。
月面のおおきくしずかなクレーターの海に
まるで波のように、地平線まで波よるうさぎのむれ。
風にたゆたうススキの穂のように、
夕間におどる、ムクドリの大群のように、
右に左に、ひとつのおおきな存在のように、
うさぎの耳が静かの海に波打つ。
そんなうさぎのいっぴきが
このひとというわけです。
すごいですね。